marcs導入事例 学研「学研の図鑑 LIVE」

「新発売のこの図鑑では、恐竜がページの中からスマホに乗り移って動き出します。売れ行き好調。お客様、社内、書店のみなさ んに好評です。」
学研教育出版の図鑑・百科編集室、室長・編集長の松下清 氏に、marcsなどアララのAR技術を導入した経緯と、その効果について詳しく聞きました。
学研

【学研について】
設立 昭和22年の老舗出版社。社名のとおり、学習関係の雑誌、書籍に強み。年商869億円(2013年9月期)。

【「学研の図鑑」について】
1970年の創刊以来、リニューアルを重ねている学研の中心商品の一つ。学校や自治体の図書館にも多く備えられており、誰もが一度は見たことがあるはずの有名な学習図鑑。

AR技術を新商品の差別化の目玉に

― 学研では、アララのARシステムをどう活用していますか。

学研では、2014年に「学研の図鑑 LIVE」を新創刊しました。

この図鑑のウリ、差別化の目玉は、marcsとARAPPLIを使って実現した、「出てくる図鑑」です。

今回は初刷り7万部。おかげさまで書店での売れ行きは絶好調です!

学研の図鑑LIVE 恐竜

恐竜や動物がスマホの中で動く

― 「出てくる図鑑」って、どんなのですか?

今回の「学研の図鑑 LIVE」では、図鑑のページにスマホをかざすと、恐竜や動物や昆虫が、スマホの画面の中で動き出すんです。

自分で言うのも何ですが、とても「楽しい図鑑」ができました。DVD付きの図鑑なら今までもありましたが、スマホの中で恐竜や動物が「動く」のは初めてのものです。「業界初!」は出版人には嬉しい。販売も好調で、喜びもひとしおです。

動作の具体例

― 具体的には、何が、どんなふうに動くんでしょうか。

これは、例を見せた方が早いですね。例えば、こんなかんじです。

「図鑑の恐竜がスマホに乗り移る。持ち運べる。お腹も見える」
従来の紙の図鑑では、ただ恐竜のイラストが載っているだけでした。でも、今回の「出てくる図鑑」なら、スマホの中で恐竜が動かせます。スマホを天井に向けて、下から覗きこめば、「恐竜のお腹」を見ることだってできます!

▲ 恐竜がスマホに乗り移って動き出す様子(14秒)

▲ 恐竜のお腹が見える様子(9秒)

▲ 「手乗り恐竜」の様子(6秒)

「クジラのブリーチング」
クジラは、豪快なジャンプ(ブリーチング)が魅力です。今回の「出てくる図鑑」では、そのブリーチングがスマホで動画再生できます。

「スズムシの鳴き声」
スズムシは鳴き声が美しい虫です。今回の「出てくる図鑑」では、スズムシの姿と鳴き声の両方が、スマホで再生することができます。

営業面やPR面での効果

― 「今回、図鑑にAR技術を取り入れたことの、営業上の効果はいかがでしょうか。

今回AR図鑑を作ったことで、営業面やPR面でも様々な効果がありました。たとえば、こんなふうに。

1.「書店の人が、すごく興味を持ってくれる!」
2.「面白がって、積極的に陳列してもらえる!」
3.「ライバル図鑑との『差別化』に!」
4.「書店店頭で販促イベント開催。子どもたちに大人気!」
5.「facebookで、10000 いいね !」
6.「テレビ番組でも紹介された!」

書店へのつかみはOK

― 「書店の人が、すごく興味を持ってくれた」というのは、具体的には?

書店さんが気にされるのは、「その本の特長は?」、「他との違いは?」ということです。

この質問に、鮮やかに回答して「売れそうだ」と思ってもらえればOK。

その点、今回の「学研の図鑑 LIVE」では、「この図鑑は、恐竜や昆虫がスマホの中に出てきます」と言えば、他図鑑との違いが一言でアピールできるわけです。

もし書店さんが「それ、どういうことですか?」と反応してきたら、その場で図鑑とスマホを取り出して、実際のデモをすればいい。

そりゃあ、本の中の恐竜や動物がスマホの中で動きだすのを見たら、みなさん驚きますよ。いわゆる、「つかみはOK」というヤツです。

店頭でも積極陳列

― その結果、「大きく陳列してもらえた」というわけですね。

はい、そうです。 たとえば、こんなふうに!

ライバル図鑑に対抗

― 「ライバル図鑑との『差別化』に!」というのは?

実は、今回、他社も、子ども向け図鑑を発売してきました。発売時期は「学研の図鑑 LIVE」と同時期でした。

このときは、「『スマホの中で出てくる図鑑』の企画を進めておいて本当によかった」とホッとしました。他社にはない「ARを使った『出てくる図鑑』」という特長があったからです。

今後もARを使った『出てくる図鑑』という位置づけで、他社図鑑に対抗していきたいと考えています。

ARは、店頭販促に最適

― 「書店店頭で販促イベント開催。子どもたちに大人気!」というのは?

たくさんの書店さんのご厚意で、店頭スペースをお借りして、図鑑の販促イベントを行いました!
イベントでは、子どもたちや親御さんに「出てくる図鑑」を実際に見て、使って、体験してもらいました。

スクリーンに恐竜を大写しにして、子どもたちと恐竜をに一緒に画面に映したりもしました。これは、子どもたちに驚かれました。そりゃ、そうです。画面の中に自分と恐竜が一緒に映ったら、大人だって驚きです。

イベントでは、私も店頭に立って、「出てくる図鑑」をアピールしました。自分の作った本が、子どもたちやお母さん方をビックリさせている様子が見られたのは、出版人として快感でした!

facebookで、いいね!10000超え

― facebookでも『いいね!』が10000個もゲットできたそうですね。

はい、おかげさまで『学研の図鑑 くらぶ』のfacebookページは大人気。LIVEに限らず、いろいろな図鑑の楽しい情報を載せており、「いいね!」はすでに10000件を突破しています。

ソーシャルメディア、面白いですね。お客様の反応がリアルタイムに分かります。

2014年10月現在のいいね!は、11416件

朝のテレビ番組でも紹介

― 朝のテレビ番組でも紹介

はい、紹介されました。

日本テレビの朝のバラエティ番組「ZIP!」で、2014年8月に、「今、学習図鑑が熱い!」という趣旨で、各出版社の図鑑が紹介されました。「学研の図鑑 LIVE」は、スマホと連動して動く、ユニークな図鑑という位置付けで紹介されました。

ARは、動きがある題材、絵がある題材だったので、テレビ番組でも紹介しやすかったみたいです。

実は拡大中の、子ども向け図鑑の市場

― 今回、「学研の図鑑」に、AR技術を取り入れることになったのは、どのような経緯で?

今回のAR技術採用の背景には、「図鑑市場の成長と競争の激化」が背景にあります。

最近は出版不況とよく言われますが、実は、子ども向けの学習図鑑は好調です。10年前に比べ、市場規模は確実に大きくなりました。

市場拡大の契機となったのは、ある出版社がDVD付きの図鑑を発売したことです。それまで図鑑といえば、「調べ物」などのための地味な出版物だったのが、その図鑑は、動物や恐竜の動く様子を収めたDVDを付けました。これにより、図鑑に映像という新しい要素が加わり、子どもの心を強くつかむことになったのです。

その図鑑は、シリーズ100万部を突破するなど大ヒットしました。その出版社には図鑑市場を活性化してくれたことに感謝しています。しかし「学研の図鑑」も負けてはいられません。『学研の図鑑 LIVE』は、必ず良いものにしたいと思いました。

今回の「学研の図鑑 LIVE」には、もちろんDVDをつけました。しかし、それでは単に追いついただけであり、追い越していません。差別化になっていません。

そこで今回、DVDの上に、もう一つトッピングする形で、読者がもっと手軽に、しかもアクティブに楽しめる、スマホとARを使った「出てくる図鑑」の要素を取り入れようと思ったのです。

本当に安定動作するのか? 問い合わせ対応は?

― しかし、新しい試みを行うときは「不安や懸念」もあったのでは。

その質問はもっともです。

一般論としては、出版物にARという「ソフトウエア技術」を取り込む場合、「本当に安定動作するのか?」、「問合せが来たらどう対応すれば良いのか?」という2点が不安要素になります。

まず、安定動作への懸念ですが、たしかに、せっかくAR技術を取り入れたのに、動作不良が頻繁に起こるようでは、「出てくる図鑑というから買ったのに、出てこないじゃないか!」と多くの苦情が来るでしょう。差別化の目玉として導入したはずが、逆に足を引っ張る結果にもなりかねません。

次の問合せ対応の問題ですが、出版社には、基本的に、「ソフトウエアの問合せに対応できるような体制」はありません。お客様からの問合せはどれぐらい来るのか? もし来たら、どう対応すれば良いのか?、これらは導入前の不安要因になります。

しかし、実は、今回、「学研の図鑑 LIVE」にアララのARを取り入れるに際しては、そういう不安はありませんでした。

というのも、アララのAR技術については、「学研の図鑑 LIVE」への採用に先立ち、何度か試用・検証を行い、動作の安定性と問合せの少なさについては、すでに確認済みだったからです。

事前に試用・検証を重ねる

― どのように試用・検証していたのでしょうか。

学研がアララとの関わりは、2011年に学研ホールディングスのデジタル推進部門が、「これからの書籍のデジタル戦略」について模索する中でAR技術に着目し、情報収集を重ねる中で、アララに問合せをしたのが始まりです。

その後、実験的に、モンテールのスイーツ製品に、学研の絵本コンテンツをARとして提供するという形の販促キャンペーンに参加しました(※)。キャンペーンは好評のうちに終了。学研内でも、ARとはどういうものなのかを「経験」「体感」することができました。

モンテールの販促に
学研の絵本「ぴよちゃんのかくれんぼ」を提供

その後、2013年には、私が所属する図鑑・百科編集室で、「なぞの図鑑」という一巻ものの図鑑を発売するときに、試しにアララのAR技術を取り入れてみました。この時は、恐竜の動画を一点と、テナガザルの鳴き声つきの動画を一点、AR再生できるようにしました。

この時の試用を通じて、図鑑編集者としての視点で見ても、「図鑑とARは相性ぴったり」、「アララのARは安定して動作する」、「どんなお客様でもカンタンに使える。問合せもほとんどない」ということがよく分かりました。

このような経験があったので、今回、「学研の図鑑 LIVE」にアララのARを採用するにあたっても、特に不安はなかったのです。

発売2年。使い方の問い合わせの数は?

― 実際には「学研の図鑑 LIVE」での、動作の安定性や、お客様からの問合せの数は、いかがでしたでしょうか。

「学研の図鑑 LIVE」を発売して、いま2年目ですが、動画再生のシステムトラブルはまったくありません。順調に動作しています。

お客様から学研への問合せは、この2年で20件程度。いずれも「苦情」ではなく、「使い方についてのちょっとした質問」であり、どれも編集部が自力で対応できる程度の内容でした。

うち2件ほどは、「編集部だけでは対応が難しい、やや複雑な内容の問合せ」がありましたが、それについては、アララにいったん質問を転送し、模範回答内容をメールで指示いただいた上で、編集部からお客様に返信するという形で、いずれも問題なく対応できました

※ この時は、モンテールがアララにAR提供を発注し、学研は、アララを通じて絵本コンテンツの使用権をモンテールに販売するという形を取ったので、学研にも収益が発生しました。

やっぱり「動く」のは、いい!

― 2年間使ってみての、marcsをはじめとする、アララのARサービスへの評価をお聞かせください。

個人的には、やっぱり「動くのはいい」と思いました。

今回、AR技術を本格導入してわかったことですが、「何かが動く」ことはお客様だけでなく、社内の関係者にも驚きを与えます。

図鑑の中の動物や恐竜が、スマホの中で動くのを見ると、学研ホールディングスの役員も、営業部も、印刷所の人も、書店さんも、皆、魔法を見たかのように「おぉーっ」と驚きの声を上げるのです。

本という「動かないはずのもの」が動くことは、それを見る人に、根本的な驚きの感情を与えるようです。

その他、アララのARの、機能、仕様で良いと思う点は、次のとおりです。

良い点 1. 「ダウンロードが発生しない」
今回、使っている動画コンテンツには、外部会社から購入またはレンタルした物が多くあります。アララのARでは、動画コンテンツの「ダウンロード」が発生しないので、外部会社とのライセンス契約がスムーズに行えます(※ ダウンロードが起きる仕様の場合、コンテンツの「複製」が発生しているので、ライセンス契約が複雑、または不可能になります)

良い点 2. 「操作が簡単」
アララのスマホアプリの使い方は、「図鑑にスマホをかざす」、ただそれだけです。余計なボタン操作がなく、老若男女だれでも使えます。操作が簡単なことは「問合せが少なくなること」にもつながるので良い仕様だと思います。

良い点 3. 「表示が速い」
AR技術では、「すぐに表示されること」がとても重要です。せっかくスマホをかざしたのに、いつまでも動画が始まらないのでは、お客様はイライラしてしまいます。アララのARは、スマホをかざせば「すぐに」動画が再生されます。表示スピードは合格です。

良い点 4. 「スマホを図鑑にかざしつづけなくても、表示が継続される」
アララのアプリでは、図鑑にスマホをかざす必要があるのは最初だけで、いったん動画の再生が始まったら、図鑑からスマホを離しても大丈夫です。この仕様ならば、動画が映ったスマホを、子どもが持ち運んで、両親や友達、兄弟姉妹に「ねえ見て見て」と見せることが可能になります。お客様の楽しみが増える、良い仕様だと思います。

ご家庭でスマホを使ってこんな写真を楽しむこともできます。

良い点 5. 「画質がキレイ」
通常のARシステムは、細い3G回線を想定した仕様になっています。一方、アララのARは、より太い4G回線を想定しており、その分だけ表示画質が キレイです。

良い点 6. 「お気に入り機能」
marcsのスマホアプリには、「お気に入り」機能がついています。たとえば、トリケラトプスが動くところが何度も見たい場合は、それをお気に入りに登録すれば、いちいち図鑑にかざさなくても、いつでもどこでも再生できるようになります。

良い点 7. 「学研のホームページへの誘導も可能」
スマホアプリからワンクリックで、学研の図鑑のホームページにお客様を誘導することも可能です。

良い点 8. 「カタログ機能」
鯨のブリーチング動画を見て気に入った場合、それに関連する動画、たとえばペンギンやイルカの動画も続けて見たくなる場合があります。アララのスマホアプリには、それを可能にする「カタログ機能」があるので、いちいちペンギンやイルカのページにスマホをかざさなくても、見たい動画を続けて楽しめます。

先輩ユーザーからのアドバイス

― 現在、AR技術の導入を検討している出版社に対し、「先輩ユーザーとしてアドバイス」などあればお聞かせください。

とにかく、自分の作る本が「動く」ようになるのは、それだけで楽しいことです。社内、書店、お客様を驚かせることができ、実売部数にもつながります。

この楽しみは、「業界で一番最初にやったとき」がいちばん大きいので、関心のある方は、自分の分野で早めに試してみれば良いと思います。

今後の期待

― アララへの今後の期待をお聞かせください。

今回、ARによる「出てくる図鑑」を導入したことで、楽しい仕事、やりがいのある仕事、お客様に喜ばれる仕事ができました。ありがとうございます。図鑑・百科編集室では、今後も新しい技術を次々に取り入れて、面白い本、喜ばれる本を作っていく所存です。アララには、優れたAR技術、そして製品とを通じて、図鑑・百科編集室の本作りを継続支援していただくことを希望します。これからもよろしくお願いします。


アララの社員と共に

※ 参考情報: 学研の図鑑 LIVEでの、AR技術活用の詳細
項目 内容 備考
ARを導入した本 「学研の図鑑 LIVE」
(全10巻予定)
2014年6月発売の「恐竜」「動物」「昆虫」の巻にARを導入。続刊にもすべてARを導入。
使用ソフトウエア marcs、ARAPPLI クラウドサービス
(※ サーバ新設などの手間は不要。申し込んでからすぐ使える)
動画コンテンツの制作 学研が制作 外部会社からの動画コンテンツ買い取り、借用を含みます。
動画コンテンツのmarcsへの登録 アララが登録 ※ 「ユーザーが自分で登録することも可能」とのことでしたが、今回は、別途料金を支払って、アララに登録を依頼しました。
システム全体の管理 アララが管理を担当 ※ ユーザーである学研側は、AR(出てくる図鑑)の運営については、コンテンツの制作以外は何もしなくて良いという仕組みです。。
契約期間 一巻あたり2年 ※ 2年後も契約更新の予定
価格体系 「一括契約固定価格」 - 詳細はこちら
- 1巻当たり「月間数万円」が目安。
出版社のみなさまへ
今回は図鑑の事例でしたが、アララのARソフトウエア、marcsはもちろん他の出版物にも使えます。

「marcs」を活用すれば、紙面では伝えきれない情報を動画で分かりやすく伝えることが可能です!工夫次第で様々な使い方ができるため、集客や売上げアップにも貢献します。例えば…

・メイク雑誌でプロのメイクアップアーティストのメイク方法を伝授!

・ヘアカタログでヘアアレンジの方法を紹介!

・ 健康系の雑誌ではストレッチやリンパマッサージ、ヨガのポーズを流して実演!

・映画のポスターから映画の予告動画を紹介!

・レシピ本では文字だけで伝えきれない調理の様子を表現!

さらに、Webサイトへのリンクを設定することで、エンドユーザー様を動画閲覧後に実際の商品購入サイト等へ誘導できます。

1度スキャンするだけでどこででも動画を見ることができる手軽さ。エンドユーザー様にも気軽にお楽しみいただけるうえ、シェアも広がります。
※ 学研の図鑑 LIVEのホームページ
※ 取材日時 2014年10月
※ 取材制作:カスタマワイズ
お問い合わせはコチラ
トップへ お客様の声へ